準備編 まずはナレッジマネジメントの問題点を整理
ナレッジマネジメントを実施する際に必ずと言っていいほど、下記のような問題が出て、多くの企業様が効果が出せない状態になります。
- 社員が多忙でナレッジマネジメントのために協力する時間がない
- ナレッジマネジメントによってもたらされる本当の効果が分からない
- 自分には直接関係のない取り組みだと考える社員が多い
- 「知識を提供すると損をする」または「知識を出しても評価されない」と考える
- 協力的な社員がいても、共有するに足る有効なノウハウ・情報とは限らない
ナレッジマネジメント成功のためには、実際に利用する社員から出てくる問題をクリアにするためのSTEPが必要です。
ナレッジマネジメント成功のステップ
STEP1 【組織編】通常業務に盛り込み習慣化させることが必要です。
「ナレッジマネジメントを実施する目的を明確にし、全社員に目的を知らせる」
「個人がノウハウを持って活躍するよりも、そのノウハウを社内展開する方が評価されることを意識付ける」
「ナレッジマネジメントの運用を現場で管理する"ナレッジマネージャ"と、経営者側で統括する
「"CKO(チーフ・ナレッジマネジメント・オフィサー)"を確立する」
「社員が日常業務でノウハウ・情報を利用できる環境を用意する」
があります。
STEP2 【ナレッジ蓄積編】有用なナレッジを収集する工夫です。
「個人のノウハウを活用する以外に、複数人でノウハウを作り上げられること」
「文書化できないノウハウを持っている人を見つけられること」
「利用者が効果を実感できて楽しく運用し続けられること」
「CKOやナレッジマネージャが社内のナレッジマネジメントに対する活性化状況を把握できること」
が行える必要があります。
STEP3 【運用編】マンネリ化を防ぐ工夫です。
活性化状況(運用率)が低下しないために、CKOやナレッジマネージャの役割として、
「定期的にナレッジマネジメント活用に対するイベントを実施する」
「定期的に経営者からのナレッジマネジメントに対する評価を行う」
「組織としてナレッジマネジメントを盛り上げる施策を実施する」
ことが必要となります。
最後に、一番重要なことは、上記すべてを完璧に整えてからナレッジマネジメントを開始することではなく、段階的に進めていくことです。この方法はさまざまです。
「小規模なグループで使い始め徐々に広げていく方法」
「まずは社員間のQ&Aでコミュニケーションをアップさせてから、自発的なノウハウ・情報の蓄積に拡張していく方法」
などがあります。
最終的に、社員個人の知識(ノウハウ)が、全社員にて「蓄積→活用→評価→創造」のサイクルを継続できた時、必ずナレッジマネジメントは成功します。
ナレッジマネジメントシステムの選択
ナレッジマネジメントを実現する上で最近は、「ブログ」「SNS」や、大量に蓄積された文書ファイルを高度に検索する「検索システム」、知識を持っている人を探す「ノウフー」、自分の持っているノウハウを蓄積する「ナレッジマネジメントシステム」など、さまざまなシステムが存在します。
ここで注意したいのが、「ブログ=ナレッジマネジメントの実現」、「SNS導入=ナレッジマネジメントの実現」というように、「システム導入=ナレッジマネジメントの実現」ではない。ということです。
これらシステムは、ナレッジマネジメントを実現するための一つの手法でしかありません。
ナレッジマネジメントの実現に重要なのは、
「何のためにナレッジマネジメントに取り組むのか」という目的と、
「その目的にあったシステムであり社員がキッチリ使い続けられる、社内文化に合致した」システムです。
これを踏まえて、幅広くシステムを比較検討することが重要です。