テレワークにおける臨店の3つの課題とポイント
- テレワーク
- コミュニケーション
- ペーパーレス
- 臨店
「臨店」とは、本部から派遣されたスーパーバイザー等のスタッフが定期的に店舗を巡回し、改善指導を行うことです。スーパーや飲食店などのフランチャイズ企業においてよく実施されています。
コロナ禍をきっかけに小売・流通業界の社内コミュニケーションも変わりました。本部はテレワークを導入し、臨店にもZoomなどを利用するケースが増えています。
対面でのコミュニケーションは絶対に必要ですが、並行してリモート会議・臨店の継続に前向きな企業も多いと聞きます。
1年間を振り返り、Web会議システムのメリットを活かしつつ見えてきた課題の整理と解決のポイントについてご紹介します。
目次
リモート会議システムのメリット
先にリモート会議システムを利用した臨店のメリット何と言っても「コスト削減」です。
会場への移動の時間・交通費などのコストを解消しながら、対面で会話ができ、泊りがけの大規模な会議における会場設営費や宿泊費の節約にもつながります。
また、予定に合わせて柔軟に開催できるメリットもあるので、お客様対応や急な欠員で店頭業務を優先したい時は会議を再度設けることもできるでしょう。
ここから課題と解決のポイント整理を進めます。
リモート会議システム×臨店の課題とポイント
課題1:店舗の様子を直接確認できない
リモート会議は画面内の情報に限られるため、クリンリネスや販促物の掲示、陳列に問題がないか確認することができません。
代わりにSNSやメールに画像を添付するケースが多いのですが、習慣として根付かず店舗側の任意の報告にとどまることが多くなります。
解決策としてWebカメラを各店に設置して随時指摘したり、売場管理システムにより報告を徹底させることができます。
システム経由で店舗からの報告を徹底に実施してもらうためのポイントとして下記が挙げられます。
- タスク化
習慣になるまでに時間がかかったり、お客様や電話対応により店舗の予定は狂うため、後から実行できるようリスト化されていると便利です。 - 実施状況の管理
管理する店舗が複数あり、指示も複数あるとどの店舗が何をどの程度実施しているのか本部で把握しきれないため、代わりにツールに管理してもらうことで負担が減ります。 - 簡単に報告・集計できる仕組み
店舗の報告作業を極力減らすために、チェック項目や投稿フォームがあると便利です。
課題2:資料を印刷できない
特に本部がテレワークをしていると資料の印刷ができず、困ることもあるのではないでしょうか。方法としてコンビニなどのネットワークプリントサービスを法人契約して、出社せずに印刷する方法もあります。
また、資料の内容によってはそもそも作成をしない方向にするのも1つです。
例えば本部会議で各店の売場画像をExcelなどにまとめて共有することがありますが、店舗管理システムによく搭載されている画像投稿機能やアルバム機能で代用することもできます。
確認したい条件(店舗ごと、時期、売場のテーマ等)で抽出して一覧で表示できるツールもあるので、画面を見たまま会議や打ち合わせをすることで、資料作成の手間自体をなくせます。
操作感が分かりやすいシステムであれば、店舗も自発的にシステムから他店の売場画像を確認して自店に取り入れる動きもしやすくなります。
課題3:関係性を深めにくい
Zoomなどのリモート会議でも、対面と比べると相手の反応や感触をくみ取りにくいという声も聴きます。重複やタイムラグが発生しないように聞き役に終始してしまい、一方的な発信で終わりがちです。
リモート臨店の場合、関係ができている店舗スタッフであれば遠慮せず発言できますが、新しいスタッフはそうもいかず現状や今後について話を引き出せずフォローしにくいようです。
解決のポイントとして会議以外に店舗スタッフがオンライン上で発信できる場を用意し、コミュニケーションを図ることが挙げられます。
定型の報告業務や店舗のSNSアカウント更新の他に、店舗スタッフが発信できる情報の一部として下記の内容があげられます。
- 接客の工夫
「プレゼント包装の際、サービスでお客様が自由に書けるメッセージカードを渡したら喜ばれた」「ラッキーカラーを接客に取り入れた」といった工夫を投稿する場を用意します。 - 販促企画や改善アイディア
特に中途社員の場合、前の会社で行っていた店頭企画や工夫を収集します。別の業界の事例でも参考になります。 - プロフィール
チャットツールやSNSでは一般的ですが、趣味やアイコン画像をきっかけに人となりを知ることができ、コミュニケーションのきっかけになります。
発信に対して他店や本部がコメントや「いいね!」といった相互にリアクションをすることで、店舗スタッフとの関係性を構築しやすくなります。
特に接客の工夫や販促企画については店舗改善につながるので、新人・ベテラン問わず積極的に収集したいところです。
まとめ
ツールの特性を活かしてオンラインの効率面と対面の良さを使い分けることで、効率よく店舗管理を徹底できます。
現在紙ベースで行っている業務や報告フローが本当に必要なのか、一度見直してみると新たな活路が見いだせるかもしれません。