店長・社員が不在でも店舗を円滑に運営する3つのポイント

店長・社員が不在でも店舗を円滑に運営する3つのポイント

人手不足はパート・アルバイトだけでなく、社員も

統計によると全業種で「正社員が「不足」と感じている企業は52.1%」となっており、個人向けサービス業のお客様からも同様のお話を伺います。
加えて「店長が複数店舗を兼任する方針」、「社員は体調不良や会議、休日で不在」といった事情が重なり、
パート・アルバイトの店舗スタッフのみで店舗を運営する場合が出てくることも珍しくないのではないでしょうか。

参照:帝国データバンク 人手不足に対する企業の動向調査(2023 年 10 月)

https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p231103.pdf

そこで今回は店長・社員が不在時でも円滑に店舗を運営するために考慮したい点をまとめました。

スタッフ教育をすれば問題ない?

店長が不在の場合に店舗スタッフが困るのは「返金作業や返品、申請など頻度が少ない作業・クレーム対応・本部からの指示」など、イレギュラーな業務が多いでしょう。

対応に困る原因は「手順を忘れてしまったという業務知識の不足」の場合と、「権限の都合上、または前提知識や判断材料を聞かされていない」場合でわかれます。
後者は教育の問題ではなく、情報開示という体制の問題のため教育だけで全てを解決するのは難しいと言えます。

目指すラインは「適切な一次対応」

店舗スタッフにどこまで望むかですが、現実的な目標として「店舗スタッフが適切な一次対応が取れる」ことを目指してみてはいかがでしょうか。
一次対応がされれば、後は上位者に判断を仰ぐことができます。
教育は店舗スタッフの習熟度や時間的拘束の都合で長い目で考える必要がありますが、情報開示の体制整備は本部主導で進めることができます。

店長不在時でも店舗を円滑に運営するポイント

1.店舗スタッフに積極的に情報開示する

『店長だけが本部からの通達を確認できる』、『周知や実施事項は全て店長が整理してからメンバに割り振る』体制の場合、
店長だけに情報が集中してしまい、店舗運営に支障が出るリスクがあります。

具体的には以下が挙げられます。

  • ・店舗スタッフが業務全体を理解できず、イレギュラーな事態に対応しにくい
  • ・店舗スタッフの手が空いても、できる作業が限られる
  • ・本部からの通達に対する反応が遅れる

そこで店舗スタッフに適切に期限や業務の背景を伝えることで「情報のブラックボックス化」を解消できます。

作業指示~実施の流れ

業務の背景が理解できると、別の業務とのつながりも見えてきます。自分の動きがどう他に影響するのか想像できるようになれば、
「こっちの作業もやっておこうかな」と自発的に動くことができます。

逆に人事情報など一部の店舗責任者にのみ開示する内容については、閲覧制限をかけるとよいでしょう。

2.クレーム事例を共有する

クレーム対策の実情

店長・社員が不在の場合に店舗スタッフが一番困るのは、「顧客からのクレーム対応」ではないでしょうか。
統計によると苦情・クレームに対応するための体制について、「対策・対応マニュアルの作成」が 45.4%で最も高く、
次いで「専門機関との連携」が 28.8%、「対応部署の設置」が 14.4%、「お客様窓口の設置」 が 12.7%(複数回答あり)
となっています。
クレーム対応次第では企業全体のイメージを損なう以上、どの企業も何かしら対策に力を入れていることと思います。

参考:産業労働局「中小企業における消費者等からの苦情対応に 関する実態調査」結果報告

https://www.sangyo-rodo.metro.tokyo.lg.jp/toukei/docs/H30_akushitsukure-mu.pdf

クレーム対策の盲点と対策

接客・クレーム対応マニュアルは存在していても、実は「クレーム事例」についてはあまり共有されていません。
クレームが発生した該当店舗と本部への報告で留まるケースが多いのですが、ナレッジとして有効活用することをおすすめします。
本来クレーム対応は予想外の内容も多いため、スタッフの対応力や経験値が問われます。
ところが経験が浅いスタッフの場合は焦りから必要なことを聞きもらし、説明が不足することで来店客がヒートアップしてしまう例もあります。
そこでなるべく多くのクレーム事例に触れ疑似体験することで、対応力の向上が期待できます。

※なお近年増加していると言われる悪質なクレームに関しては個々の従業員の対応で解決できる範囲を超えていることも多く、
相談先や対応方針を社内で明確にすることが重要とされています。

3.店舗が本部に問い合わせやすい環境を作る

「分からないところがあった時に、店長以外に問い合わせできる手段」を用意することで、
店舗スタッフは一次対応を取りやすくなります。

電話やメールなど様々な手段がありますが、下記要件を満たすことで本部も店舗も楽になります。

  • ・本部の担当者がわからなくても質問できる
     店舗から本部は見えにくく担当者もわかりにくいため、質問を躊躇するのを防ぐ
  • ・本部と店舗間を1対nで発信できる
     店舗に対して1対nでフォローする手段があると、本部の対応工数を削減できる
  • ・電子マニュアルや書式の保管場所にアクセスしやすい
     必要な情報がどこにあるのか、「在りか」を示すことができる
  • ・期限設定とタスクリスト
     手が空いた時に何から手を付けるべきか判断できる
  • ・閲覧制限
      「店舗スタッフには店舗スタッフが閲覧して問題ない情報」だけを開示する
     

例えば、本部から店舗に対して「不良品と同LOT製品を売場から回収する指示」をします。

不良品と同LOT製品を売場から回収する指示

店長が不在でも、店舗スタッフが店頭から撤去することは可能です。
ここで疑問に思った店舗スタッフから「対象商品を取り置きしたお客様にどう説明するか」「返品処理の最新の書式はどこにあるか」といった質問をもらった時に、
本部は全店舗に対して補足と回答を発信することができます。

こうして店舗からの不明点が可視化され「これを機にマニュアルに追記しよう」「書式をあらかじめ添付しよう」などとすることで、
チェーン全体のオペレーションが洗練されます。

店長の離職対策にもつながる?

店長集約型の店舗運営の場合、店舗スタッフが急ぎの要件かどうか判断できずとりあえず店長に電話してしまうケースもあります。
『シフト勤務を覚悟しているとはいえ、休日も電話や通知が気になって休まらない』という店舗責任者もいるのではないでしょうか。
統計では雇用者の60.7%が「勤務時間外に部下・同僚・上司からきた業務上の連絡の内容を確認しないと、 内容が気になってストレスを感じる」という回答しています。
適切に情報開示され店舗スタッフから闇雲に連絡が来ることが減ると、店舗責任者の負担も減るでしょう。
長期的にも短期的にも店舗スタッフの一次対応力の向上は従業員のQOL向上にもつながるかもしれません。

参考:連合「“つながらない権利”に関する調査2023」

https://www.jtuc-rengo.or.jp/info/chousa/data/20231207.pdf?12

まとめ

今回は店長・社員が不在でも、いかに円滑に店舗を運営するかについてご紹介しました。
「情報のブラックボックス化」を解消することで、店舗スタッフの一次対応力の向上が期待できます。

店長や店舗責任者が不在の時こそ、日頃の備えで差が出ます。本記事がさらなる「店舗運営の円滑化」に役立てば幸いです。

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