業務連絡テンプレートと書き方のコツ

業務連絡テンプレート3選|伝わる書き方の4つのコツ

2025.12.26


社内での円滑な業務遂行に、関係者との情報共有を行う「業務連絡」は欠かせません。

社内で円滑に業務を進めるためには、関係者同士が正確に情報を共有する「業務連絡」が欠かせません。

特に本部から各店舗へ一斉に指示を出す場面では、拠点や業務スタイルの違いから、伝え方に工夫が求められます。

「どうすれば全スタッフに誤解なく伝わるのか」と文章構成に悩み、結果として業務連絡の作成に時間を取られてしまう担当者の方も多いでしょう。

そこで本記事では、多店舗企業で汎用的に使える業務連絡テンプレートを厳選して3つご紹介します。

そもそも業務連絡とは?

業務連絡とは、社内での円滑な業務遂行に欠かせない、情報共有や意思疎通全般を指します。

稟議書や通達といったフォーマルな社内文書から、日々のメールやチャットでのやり取りまで、その形態はさまざまです。

いずれも、組織全体の意思疎通を円滑にし、業務効率を高めることを目的としています。

正確な業務連絡は、個人の作業ミスやプロジェクトの遅延を防ぐだけでなく、組織全体の生産性向上や風通しの良い職場づくりにもつながる、組織運営のベースとなる重要な業務です。

中でも発信頻度が高く、かつ「伝わらない」「実行されない」といった課題が起きやすいのが、日々のメールやチャットで行われる「日常の業務連絡」と言えるでしょう。

なぜオフィス→現場の業務連絡は難しいのか

オフィス内で完結する連絡よりも、店舗への連絡はより高い精度を求められます。時間・業務スタイル・伝達範囲の3つの観点で解説します。

働く環境と時間のズレ

オフィスと現場では働く時間帯が異なるため、コミュニケーションのすれ違いが発生しやすい傾向にあります。

オフィスは暦通りの勤務、現場はシフト制が基本です。

そのためオフィス内のように気軽に口頭で補足したり、すぐに電話で意図を確認したりできません。

「後からフォローしにくい」という環境こそ、一度の連絡で誤解なく伝えきる高いコミュニケーション精度が求められる理由です。

 ITリテラシーの差

現場のスタッフは、接客や売場作りやサービス提供など店舗業務のプロであり、日常的にPCやITツールに触れる機会は限られます。

本部側が良かれと思って最新のITツールを導入しても、現場にとっては「覚えるのが大変」「操作が複雑で、かえって時間がかかる」などと負担になる傾向があります。

結局、導入したツールが使われず、電話や手書きメモといった従来の方法に戻ってしまう、というケースも珍しくありません。

 「一対多」というコミュニケーション構造

オフィス内のやり取りとは異なり、本部から現場への連絡は「一対多」という特殊なコミュニケーション構造が基本です。

1つの業務連絡が複数店舗に一斉配信されるため、もしその内容に曖昧な点があれば、誤解や認識のズレが店舗の数だけ増幅してしまいます。

結果的に店舗ごとで対応のズレが生じたり、本部には各店舗から同じ内容の質問が相次いだりといった事態につながります。

伝わる業務連絡|基本の4ポイント

特に店舗で働くスタッフはPCの前でじっくりと文章を読んだり、頻回にやり取りしたりする時間がありません。

店頭業務の合間に確認したとしても、意図を伝え伝達漏れを防ぐための4つのポイントをご紹介します。

1.件名で要件と期限を伝える

多くの通知に埋もれないよう、件名だけで連絡の要件と期限が伝わるように工夫しましょう。

特に相手に何かしらの行動(返信、確認、作業など)を求める場合は、その内容と期限を件名に明記することが重要です。

例えば、「【要対応・〇/〇まで】新商品キャンペーンの販促物設置のお願い」のように記載し、「これは、いつまでに対応が必要なタスクだな」と認識できるようにすることが重要です。

2.冒頭で「目的」と「結論」を伝える

多忙な相手に意図を確実に伝えるには、本文の冒頭で「この連絡が何に関するもので、最終的に何をしてほしいのか」という全体像を明確に伝えることが不可欠です。

まず 「〇月〇日より、新商品〇〇のキャンペーンを開始します。つきましては、販促活動へのご協力をお願いします。」 のように、連絡の「目的」と、相手に期待する「結論(行動)をセットで伝えましょう。

最初に全体像を把握できることで、本部が意図とのズレを防ぎ、店舗ごとの成果品質のばらつきを抑えることにも繋がります。

3.5W1Hを明確にし、店舗側を迷わせない

業務連絡の目的は、より少ないラリーで完結させることが理想です。

ただ本部担当者にとっては、店舗スタッフがどこに疑問を感じるのか、事前に想定しきれないこともあります。

なるべく認識のズレやその後の問い合わせ対応の手間をなくすために、5W1Hのフレームワークを意識することも1つの方法です。

毎回6つの要素を盛り込む必要はないものの、5W1Hの観点から見直すことで伝達漏れの防止につながります。

4.返信の要否と期限を明記する

件名で期限を伝えた上で、本文にも相手に求める具体的なアクションを改めて明記しましょう。

連絡を読んだ相手が、「これは確認だけでいいのか?」「何か返信すべきか?」「いつまでに?」と、次の行動に迷う状態を作らないことが重要です。

以下の例のように、連絡の最後に「相手への指示」を明確に記載することで、認識のズレと、指示の実行漏れを防ぐことができます。

【明確なアクション指示の例】

・添付資料は、ご確認のみで結構です(返信不要)。

・〇〇の件については、〇月〇日(金)までにご意見をお聞かせください。

・出欠の回答は、本メールに返信する形で、明日12:00までにお願いします。

 【特化編】多店舗運営ならではの業務連絡テンプレート3選

ここでは多店舗企業でよく発信される業務連絡として、「新商品やサービスの展開」、支払い手段の追加などといった「オペレーションやルールの変更」、そして「店舗の設備・什器の修理依頼」に関するテンプレートをまとめました。

①店舗での対応依頼

TO:店舗各位
FROM:商品部

本文:
お疲れ様です。商品部の〇〇です。
〇月〇日(月)より、新商品「〇〇」の全店一斉販売キャンペーンを開始します。
各店、販売開始に向けた準備と販促活動へのご協力をお願いいたします。

■ 1. キャンペーンの主旨

今年度の重点戦略商品であり、来週から始まるテレビCMの連動企画です。
初動の売上がキャンペーン全体の成否を左右するため、全社を挙げて販売を強化していきたいと考えております。

商品情報:商品名:〇〇 (品番:12345-67)

■ 2. 実施事項

下記タスクリストを実施後、売場の様子を画像で報告してください。
期限:〇月〇日(月)12:00(正午)まで

□納品された商品の検品と在庫数の確認
□添付の販促物(POP、ポスター)の組み立て
□指定の棚(〇〇コーナー)への商品陳列(展開指示書参照)
□ポスターの店頭掲示
□特価設定の確認

■ 3. 完了報告の方法

報告先: 本メールに個別返信
報告内容: 陳列が完後の売場写真(遠景・近景)

■ 4. 関連資料

販促物:〇/〇着の定期便に同梱済み
商品マニュアル、展開指示書:本連絡に添付
多忙な時期ではありますが、新商品のスタートダッシュに向け、各店対応をお願いします。

➁重要事項の周知

TO:店舗各位
FROM:店舗運営部△△

本文:
お疲れ様です。

〇月〇日(月)より、全店舗で新たに決済サービス「〇〇ペイ」の取り扱いを開始いたします。
お客様へのスムーズなご案内のため、全スタッフへの確実な周知徹底をお願いいたします。

■ 1.導入の目的・背景

近年増加するインバウンド観光客の主要決済手段である「〇〇ペイ」の導入により利便性の向上と、販売機会の損失を防ぐことを目的としています。

■ 2. 追加される決済方法

旧:クレジットカード、交通系IC、現金
新:上記に加え、QRコード決済「〇〇ペイ」が利用可能

■ 3. サービス開始日

〇月〇日(月)

■ 4. 実施事項

下記タスクリストを実施後、報告してください

□レジ横にマニュアルの印刷と設置(添付の【〇〇ペイ操作マニュアル.pdf】)
□案内POPをレジ前の指定位置に掲示
□朝礼やミーティングの場で、店長から全スタッフへ操作方法の周知
(特に、決済端末の操作とエラー時の対応について)

■ 5. 周知完了の報告

報告先: 本メールに個別返信
報告期限: 〇月〇日(月)17:00まで

※店長は、全スタッフが基本的な操作方法を理解したことを確認した上で、ご報告をお願いします。
円滑な新サービス導入に向け、各店徹底してください。

③店舗から本部への対応依頼

TO:エリアマネージャー
FROM:〇〇店 △△

本文:
お疲れ様です。〇〇店の△△です。
下記店内什器の不具合につき、ご報告ならびに修理または交換の手配をお願いします。

■ 1. 不具合のある備品

名称: バックヤードのスチール棚(商品保管用)
設置場所: バックヤード入口右側
管理番号(あれば): ST-67890

■ 2. 発見日時

〇月〇日(月) 在庫整理中に確認

■ 3. 不具合の具体的な状況

支柱の1本に歪みが生じており、棚全体がぐらついています。
荷物を置くと大きく揺れ、安定性が著しく低い状態です。

■ 4. 不具合の具体的な状況

▢ 営業に支障あり
■ 営業に支障はないが、安全上の懸念あり
▢ 業務効率が低下
▢ 軽微な不具合

【具体的な影響・リスク】 ※補足があれば
現状は支障ないのですが、地震などの際に棚が転倒し、商品の破損やスタッフが怪我をするリスクがあります。

■ 5. 店舗での応急処置

危険なため、上段および中段の荷物はすべて降ろし、「使用禁止」の貼り紙をしました。現在は、一番下の段に軽い備品を置くのみにしています。
これにより、在庫の保管スペースが圧迫され、業務効率が低下しています。
つきましては状況をご確認の上、早急に修理または交換の手配をいただけますよう、お願い申し上げます。

■ 6. 現場写真(撮影可能であれば)

メールとチャット、連絡ツールの落とし穴

多くの企業で、主な連絡手段として使われているのがメールとビジネスチャットです。

各ツールには得意なことと不得意なことがあり、その特性を考慮することが確実な情報共有する上で欠かせません。

本項では、特徴とよくある課題について解説します。

【メール】記録に残したいフォーマルな連絡

メールの強みは、多くの社会人にとって使い慣れたツールであり、誰でも簡単に発信できる点です。

また、社内文書に関連することとして、送信日時や内容がサーバーに記録として残るため、契約に関する内容や人事異動の通達といった、公式な記録として残すべき連絡に適しています。

一方で社外にも送信できるため誤送信リスクがつきまといます。

その他、添付ファイルのつけ忘れや、宛先(To, Cc, Bcc)の運用ルールがあいまいで伝達漏れが発生しやすい、といった課題もよく見られます。

【チャット】スピーディーな反面、重要な連絡が流れやすい

メールとは対照的に、チャットツールの魅力は会話のようなスピード感です。即時性が求められるやり取りには非常に効果的です。

一方で重要な業務指示やその報告など、後から確認したい重要な通達も、他のメッセージに埋もれて流れてしまいます。

この情報の流れやすさが、店舗スタッフが「あの件、どこだっけ?」と情報を探す手間や、指示の実施漏れにつながります。

文章の限界は仕組みで解決する

ここまで伝わる文章を書くための様々なポイントを解説してきましたが、送り手の工夫だけでは限界があるのも事実です。

本来業務連絡というものは、相手に伝わり、そして実行されて初めて完了します。

しかし、メールやチャットでの連絡は、送った後の状況把握に課題があります。

たとえ文章で期限を明示しても、「そもそも連絡が見られていない」「他の業務に紛れて失念されてしまう」といった問題は起こりえます。

さらに、「どの店舗が、いつ対応したか」という進捗状況を、文章の工夫だけで管理することはできません。

その結果、本部担当者は各店舗への進捗確認の電話や、大量の報告メールの集計といった、本来やるべきではない付帯業務に、多くの時間を奪われてしまいます。

まとめ:業務連絡管理ツール「店舗Linkle」で本部の負担を減らす

伝わる業務連絡のポイントと、すぐに使えるテンプレートを紹介しました。

情報共有の仕組みそのものに課題を感じている場合は、業務連絡管理ツールの検討が必要です。

店舗Linkleは連絡の送信負担を減らすと同時に、送信後の「実行管理」までを一元管理するツールです。

・実施漏れを防ぐ〆切表示機能で、店舗スタッフの対応漏れを防止

・報告の要不要を本部が指定して送信、店舗スタッフが迷わない

・回答の共有範囲の制御ができる

本部と店舗、異なる業務スタイルのコミュニケーションを円滑にし、業務効率の向上をサポートします。業務連絡の精度と効率の改善を検討されている方は、お気軽にお問い合わせください。

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