売場作りのコツ3選

売り場作りのコツ3選|売上UPや業務効率化を図るための具体策を徹底解説

2020.12.22

「売り場を工夫したいけど、具体的にどんな配置や演出をすれば売上につながるの?」

「限られたスペースでも効果的な売り場作りのコツが知りたい」

このような疑問を抱えている店舗責任者の方もいるのではないでしょうか。

売上を伸ばすためには、商品の見せ方や導線設計、演出方法といった売り場作りの工夫が欠かせません。

基本のポイントを押さえることで、誰でも実践しやすく成果につながる売り場を作れます。

本記事では、売上を拡大するために押さえるべき売り場作りの重要性、実践的なコツなどを詳しく解説します。

売り場作りが重要な理由

売り場作りは、単に商品を並べる作業ではなく、来店客の購買行動を大きく左右する重要な要素です。

ここからは、売り場作りが重要な理由を詳しく解説します。

商品の見やすさ・手に取りやすさが購買意欲を左右する

お客様が売り場で商品を手に取るかどうかは、「見やすさ」と「取りやすさ」が大きな決め手となります。

陳列が整っていて商品が一目で認識できると、迷わず手を伸ばしやすくなります。

とくに視線が自然に集まる位置に商品が並んでいると、購入意欲を刺激しやすく、売れ筋商品や利益率の高い商品の販売促進に効果的です。

反対に、商品が隠れていたり取りづらい位置にあると、せっかくの関心が購買につながらず、機会損失が発生します。

売り場は単に在庫を置く場所ではなく、いかにお客様の動作をスムーズに導くかが成果を左右すると言われています。

店舗の印象を左右しリピーター獲得につながる

売り場作りは、単発的な購買を促すだけでなく、店舗全体の印象を決定づける役割も担っています。

整然とした売り場は「信頼できるお店」という印象を与え、清潔感や安心感を伴ってリピーターにつながります。

逆に乱雑でわかりにくい売り場は「買い物がしにくい店」と評価され、再訪を避けられる要因となってしまうでしょう。

つまり、売り場は商品の魅力を伝えるだけでなく、店舗ブランドを形づくる顔でもあるのです。

売上を拡大するための売り場作りのコツ

売上を大きく伸ばすためには、売り場作りに戦略的な工夫を加えることが欠かせません。

単に商品を陳列するのではなく、お客様が自然に商品を手に取りたくなる仕掛けを組み込むことが重要です。

ゴールデンゾーンに目立たせたい商品を置く

売り場における「ゴールデンゾーン」とは、一般的にお客様の目線から腰の高さ程度の範囲です。

この位置は最も視認性が高く、手を伸ばしやすい場所とされています。

売れ筋商品や利益率の高い商品をこのゾーンに配置することで、購買率を大幅に高めることが可能です。

さらに、新商品や季節商品をゴールデンゾーンに置くことで、自然とお客様の目に触れ、認知拡大と販売促進を同時に実現できます。

反対に、定番品やリピート購入されやすい商品は、少し下段や上段に置いても購入されやすいため、戦略的に場所を使い分けることが重要です。

この配置の工夫ひとつで、同じ売り場面積でも売上効率が大きく変化します。

商品POPを活用する

商品を魅力的に見せるためには、POP(広告札)の活用が効果的です。

お客様は商品そのものだけでなく、そこに添えられた情報から購買の判断を行うため、「おすすめ」「新商品」「期間限定」といった短いメッセージでも十分な訴求力を持ちます。

また、価格だけでなく商品の特徴や利用シーンを簡潔に伝えることで、購入を迷っているお客様の背中を押す役割を果たします。

とくに、商品に直接触れる前の段階で興味を引くことができるため、衝動買いの誘発にもつながります。

POPはコストが低く、売り場の雰囲気を変える柔軟性も高いため、売上拡大における即効性のある施策といえるでしょう。

滞在時間を意識した動線設計をする

滞在時間を意識した動線設計をすることも大切です。

自然に店舗内を回遊できるように通路を設計すると、お客様はより多くの商品に接触し、購買機会が広がります。

たとえば、入口付近には目を引く商品を配置し、店舗奥には目的買いされやすい商品を置くことで、必然的に店内全体を見てもらえる動線を作ることができます。

また、動線が混雑していると滞在時間が短くなり、購買機会を逃してしまうため、通路幅やレイアウトにも配慮が必要です。

居心地の良い流れを生み出せれば、お客様は自然と長く滞在し、結果的に購買点数の増加につながります。

動線設計は、売場全体の売上効率を左右する戦略的要素なのです。

売り場作りは売上UP以外に業務効率化にもつながる

売り場作りは売上を伸ばすための施策として注目されがちですが、実はスタッフの作業効率向上も期待できます。

陳列が体系的に整えられていれば補充や清掃がしやすくなり、業務時間の短縮につながります。

また、整理された売り場は在庫管理を容易にし、欠品や過剰在庫のリスクも減少させられるでしょう。

結果、本部と店舗責任者とのコミュニケーションも円滑にできるため、スタッフの負担が軽減され、接客や提案など本来の業務に注力できる環境が整うのです。

売場作りの際は『遠近』両方の視点で確認

陳列後に振り返った時に「目玉商品が目立っていない」「全体的にボリューム不足」という時は、大体作り終わった後に遠目で見ていないケースが挙げられます。

逆に遠目でみると整ってきれいに並んでいるのに、いざ手元で見ると『何だか商品を手に取りにくい』ということもあります。

つまり売場作りにおけるコツとは客観視=遠近2つの視点で確認するということです。

確認方法は『写真撮影してスペースの役割を整理』

遠近両方を写真に収めて眺めることで、自分の作った売場の全体感を把握できます。

『遠距離』はお客様が来店される際に最初に目に入る位置、『近距離』は実際にお客様が手に取る位置で撮影します。

続いて、撮影した写真に写る売場スペースを役割ごとにカテゴリ分けします。

例えば調味料のギフト提案をする際に「アイキャッチPOPを青枠に置こう」「購入を促進する手書きPOPやレシピは赤枠」と整理することで、必要なPOPを追加したり位置を変更しやすくなります。

続いて、撮影した画像のチェックポイントを他にもいくつかお伝えします。

① 外から入店させる仕組みが機能しているか

インショップ型の店舗や専門店にとって大切なポイントです。

一番人通りが多い通りでお客様に“立ち寄ってもらう”ための仕掛けを何かしらされていると思いますが、それが機能しているか写真に収めると通行人視点で確認できます。

例えば飲食店でよく目にするブラックボードの場合、「目立たない位置に設置されている」「文字が小さくて読みにくい」などの気付きがあり、設置位置の変更や夜間でも目立つサイネージの導入を検討する、といった手を打てます。

ちなみにブラックボードは日替わりメニュー以外の内容だと更新がなかなか難しいところですが、3日に1度の更新頻度があると「今日は何かな?」と通行人の目を引くという話もあります。 

② 購入を促進する仕掛けが機能しているか

逆に近距離のチェックポイントとして、“購入を促進する仕掛けが機能しているか”が挙げられます。

例えばスーパーの場合、白菜の横に鍋の素を陳列してセット購入を促すクロスMDや、2種類の味を食べ比べ!まとめ買いでお得!といったような購入点数アップにつながる施策が該当します。


また、“レシピ”や“手作り●●”といったPOPで調理方法を提案することで購入ハードルを下げ、購入意欲を高めることもできます。

③ 訴求力を維持するための売場メンテナンス

他にも“売場のメンテナンスができているかどうか”の確認にも便利です。

例えば商品をカゴ盛りした後に、「商品が売れたことでカゴの中のボリュームがなくなっていたり、カゴの中の底上げが足りずに隠れてしまったりしている」状況がよく見受けられます。

写真越しに確認するとボリューム不足が目につきやすくなるため、 品出しをまめにする、重ねられない商品は紙パッキンを多めに敷き詰める、といったメンテナンス意識が高まります。

その他、「手書きPOPが破れたり折り目が付いていないか、通常棚と違う場所に陳列した商品にプライスカードをつけ忘れていないか」、といった点が漏れがちな点も、写真で売場を客観視することで気が付きやすくなります。

まとめ

売場作りの重要性や売上拡大のためのコツについて詳しくお伝えしましたが、業務効率化を図れるといった側面もあります。

まずは手始めに店舗スタッフ自身が写真撮影して売場を見直すことから始めてみましょう。

慣れてきたら閲覧できる人数を増やし他店に取り組みを共有したり、エリアマネージャーやスーパーバイザーがコメントできるように仕組み化したりなど試してみるのがおすすめです。

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